名車もいいけど迷車もね!/第9回
2020/04/15 9:35:13
名車もいいけど迷車もね! 迷車を育てると名車になる!?/第9回 はじめに/ヤングタイマーとは? ヤングタイマーは、初度登録から15〜30年ほど経過しているクルマのことで、一番旧いモノで'80年代後半に発売された国内外の車両といったイメージです。この頃に生産されたクルマといえば、デザイン性の高さや品質のよさをアドバンテージとしていました。いま見てもカッコよく、しかも実用性が高くって安価な点が特徴だといえます。本特集では、ヤングタイマーならではといえるそれらの魅力に着目し、毎月、車 市場 名車館 編集長の筆者(高桑)が気になるヤングタイマーをピックアップ。記事をアップしています。 --------------------------------------------------- 「ヤングタイマー」を「実用車」として楽しむ際の注意点について 初度登録から15〜30年ほど経過しているので、やはり、ヤングタイマーも年々良質なクルマが減ってきています。ショップ側の立場(視点)から申し上げると、販売車両の仕入れが困難な状況になってきているわけです。クルマに詳しくない方の中には、ヤングタイマーを最新の国産車を扱うような気軽な感覚で足として使用し、保管やメンテナンスも疎かにして、わずか数年で廃車にしてしまう心無い人もいます。ヤングタイマーに対する正しい知識とクルマへの愛情があってこそ「パーツが豊富なクルマは旧くても足になる」という記事が成立するので、これからヤングタイマーをゲットしようと思っている方は少しだけ心して購入に臨んでください。 --------------------------------------------------- ロールス・ロイス シルバー・スピリットとは? 1980年から1996年まで生産されたシルバー・スピリットは、1965年から1980年まで販売されたシルバーシャドウの後継モデルです。社内の開発コードから、その派生車種も含めてSZ系と呼ばれており、'80年代のロールス・ロイスを代表する車種として知られています。'90年代の世界的不況の影響により、1998年に登場したシルバーセラフ以降は他民族系資本によってロールス・ロイスが開発されたので、純英国人の手で英国製・英国様式にて製造された車種としては、このSZ系が最終モデルとなりました。 現車のワインレッドのインテリアは、特権階級や富裕層のために用意されたクルマなので全体的に工芸品のような趣があり、グリップの細い2本スポークのステアリングホイール(英国流高級車の証し)も健在。ブルーのエクステリアは、アクリルラッカー塗料仕上げで、2種類の下塗りの上にもう一度下塗りし、3種類の上塗り、さらに2種類の仕上げ塗装を行っているといわれるものです。車体保護に11種類ものサビ止め塗装が施されているともいわれており、腕のいいショップでしか塗ることができない最高の塗装となっています。 ということで、ディテールというかスペックがあまりにも凄すぎるので、今回は「迷車」扱いとさせていただきました。 エンジン(水冷V型8気筒OHV6747cc)の最高出力等はロールス・ロイスの伝統で未公表ですが、先代のシルバーシャドウよりもパワーが向上しているとみられ、より乗りやすくなっています。デビュー当初は燃料供給装置がキャブレターで、1986年にボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射装置付きとなったので、1985年式の現車はキャブレター仕様です。 シルバー・スピリットはオーナードライバーズカーなので、自らハンドルを握って楽しめるところが魅力です。値段がリーズナブルになった現在はロールス・ロイスの入門車的存在ではありますが、既述したようにSZ系は貴重なので、今後コレクターズ・アイテムになるでしょう。定期的にメンテナンスすれば、まだまだ乗れるので、この機会にパルテノン神殿を模した伝統のグリルを持つ超高級車のオーナーになってみてはいかがでしょうか。 □プライス&店舗インフォメーション ■ロールス・ロイス シルバー・スピリット 税込車両本体価格:298万円 初年度登録:1985年5月 車検:2021年5月8日まで 走行距離:174,000km 記録簿あり 修復歴なし 特記事項:正規輸入モデル(ディーラー車)、品川33ナンバー ■販売店舗 Garage ENZO 本店 住所:〒300-1211 茨城県牛久市柏田町3041-3 TEL:029-878-0911 営業時間:10:00〜20:00(平日)/11:00〜18:00(祝祭日) HP:http://www.enzo.co.jp 文&写真/車 市場 名車館 編集長:高桑秀典
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